上智大学での講演会

2017年5月23日、上智大学アフリカウィーク関連イベントでの講演会「アフリカの絵本ってどんなの? 西アフリカのフランス語公用語圏の児童書出版と子どもの読書」の様子です。絵本の展示もおこないました。

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当日は、展示した絵本を大学生たちが「かわいい!」と言って、見て行ってくれました。うれしいことです。

講演には数十人が参加してくださいました。ありがとうございました。

講演のなかでは、私が収集し、展示している絵本は現地の大人たちの下のような思いから制作・出版されているということをお話ししました。

子どもたちは、
●外の世界から押し付けられるじぶんたち自身のイメージ
●圧倒的な力をもってアフリカに送り込まれてくる欧米の情報や映像、商品に強い影響を受ける。
⇒劣等感をもったり、自分がだれなのかわからなくなってしまう、先進国への過剰な憧れを抱いたりしがちだ…

こうした体験は、現在の大人たち自身が成長過程でしたものでもあります。
こうしたなか、作家や編集者は
●子どもたちを取り巻く社会やその文化が描かれた本。
●子どもがじぶんのことを見つめられる本。社会とのつながりを見いだせる本。
を出そうとしてきました。

このことについて、セネガルのある出版社の社長さんはこのように言っています。
●「子どもが大人に『本はいいものです』と言われて開いてみたとき、黒人はどこにもおらず、西洋人しか描かれていないというのは「危険だ」。(…)私は、私たちの子どもたちのための本を作るべきだ、子どもが本の中に自分がいると思える本を作るべきだと言い続けてきた」
(2016年セネガルのEditions BLD社長コレア(Corréa)氏)

絵本というと「子どものものであり、私には関係ない」と感じる方も多いと思います。
けれどもアフリカ諸国の児童書は、本の市場が先進国の出版社にほぼ占有されているなか、子どもが欧米で出版された本だけを読んで育つことがないようにという願い、そして子どもの自己意識の確立のため大人として何かしなければという思いから生まれました。絵本が出版されることの意味を知ってもらい、日本の多くの人に見ていただきたいです。
現地では、本を手に取ることができる子どもはまだわずかですが、図書館設立や貸本によって子どもに本に触れてもらおうとしている人はいます。
講演ではそんなお話もしました。
読み聞かせもしました。こんな作品を読みました。
『ビビは市場がいや』(お母さんのお買いものについて行った女の子ビビのお話。アフリカの市場の様子が描かれています。コラージュの挿絵が色鮮やかで楽しいです)
『ワニと子ども』(プラール語の絵本。ワニを助けてあげたのに、食べられそうになった子どもは、野ウサギの知恵で助かります。)
『アヤンダ 大きくなりたくなかった女の子』(紛争でお父さんをなくし、大きくなるのを拒否したアヤンダですが、家族のため、村人のために大きくならざるをえません。傷ついた心を抱えたままがんばりにがんばったアヤンダが、自分自身の人生をようやく歩き出すまでの物語です。紛争を主題としていますが、日本にもこんな子どもがたくさんいるかもと思うと、胸が締め付けられます。)

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(当日のチラシです)