ニジェール、心に浮かぶ風景 8

「私は雇い主」2001年4月28日掲載

私の家にはガルディアンと言われるガードマンがいた。このことについては書いても書ききれないことがある。人を雇うことなどしたこともなかった私にとって、複雑な思いの残る「ガルディアン」だ。
私のいた家は一軒家で、すでにガルディアンが一家で住んでいた。入居する前に、留守の間に家の物をすべて盗まれた隊員の話を聞かされ、観念して雇った。
このガルディアンは二ヶ月くらいで解雇した。ここにはガルディアンの労働組合があるのだが、彼は知らないうちに私を組合に訴えていた。彼とは決められた以上の給料、そして年次休暇、あるいはそれに代わる手当などが約束された契約を交わしていたので訴えに根拠はない。けんかになり、解雇するしかなくなった。私の前の雇い主も組合に訴えられていた。
次に二人のガルディアンを雇って昼夜交代でいてもらった。しばらくすると突然一人が若い男を連れてきて「今日からこいつがかわりに働く」と言った。

それから一年ほどしたら、この若い男が契約に違反し、信頼できなくなり解雇した。かわりに知人の紹介でバシルという少年が来た。最後までいたのはバシルとシェフーという人だった。
ガルディアンが変わるたびにフランス語の契約書を作り契約した。問題があるたびに労働監督局に出かけた。ここで調停をしてもらえばあとでトラブルがない。いつも協力隊事務所のシメールさんが助けてくれた。でも最後には「もうあなた一人で労働監督局に相談に行っても大丈夫でしょ」と言われた。私はガルディアン解雇のエキスパートになっていた。問題は私の雇い方、接し方にあるのかと悩んだ。
友人に相談すると彼女はこう言った。「私たちには植民者に仕え、ひどい扱いを受け続けた百年以上の歴史がある。長く親切でない主人に仕えると、逆に親切な主人には従わないという癖がついてしまう。それはよくない習慣だけれど、それをどう変えていけば良いのか私たちにはわからない。」